平成25年度内部研修

平成25年度施設内部研修について

 

平成25年度施設内部研修が始まりました。
「身体拘束廃止に関わる取り組みについて」を研修テーマに設け、「介護・支援実践の振り返りを通してキャリアアップを図る」事を目的に研修を行います。
4月から翌年2月までの計6回、偶数月に研修が行われ、講師として峯尾武巳(みねお・たけみ)教授をお招きしています。

 

峯尾武巳教授プロフィール

神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部社会福祉学科教授
大学卒業後、身体障害者療護施設、知的障害児施設、特別養護老人ホームに勤務。
2005年より神奈川県立保健福祉大学講師、 2009年准教授、2012年より現職。
社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員。

 

○1年間の研修は下記のとおり進められます。

背 景

2006年、国連で障害者権利条約(障害者の権利に関する条約)が採択された。1990年代後半、社会福祉基礎構造改革により戦後50年間、日本の福祉の根幹であった 「措置制度」から「契約制度」へと大転換し、利用者の権利意識の高まりに結びついた。
このような背景の中で障害者自立支援法(障害者総合支援法)・障害者虐待防止法が成立した。

研修を実践するにあたっての課題

A.障害者への虐待防止への取り組み→自分たちの仕事の社会的責任を考える。
B.「虐待」という言葉にとらわれない→今までの施設生活と支援方法を見直す。
C.利用者も支援者も安心して施設生活を送るための方法を考える。
→今までの事故やけがの内容と支援方法を振り返る。
D.リスク管理・リスクマネジメントの考えを実践に取り入れる。
→支援計画を見直す。
今までの支援方法を見直し、支援内容と方法の向上を目指す。
クオリティ・インプルーブメント・・・よりよいケアが事故を減らす。

研修方法

介護リフレクションをキーワードに自分自身の実践内容を振り返る・反省しながら実践する。
支援過程を鏡として、自分自身の支援内容を振り返る。
6つの支援担当グループごとの事例検討を1年間行っていきます。

4月12日金曜日 第1回目の研修が開催されました。
今回の研修内容は、身体拘束廃止に向けたリスクマネジメントの考え方・・・講義と演習。
研修計画と方法の説明・意見交換でした。

それでは研修の内容を簡単に・・・。
まず、福祉制度の簡単な流れの説明の後、次のようなお話がありました。
福祉施設は生活の場となっていることから、同じ事の繰り返しになりがちです。
身体拘束の事も福祉を取り巻く環境変化の一つで、もし漠然と仕事をしているのなら今までのやり方では通じませんよという警告の一つだと思います。 福祉施設は非常に大きな社会的責任を持っているという事を自覚し、これからは工夫や新しい取り組み、新しい考え方が不可欠になってきます。

続いて3つの課題についてグループワークを行いました。

 

  1. 「滝上リハビリセンターの良いところは?」について各グループで話し合い、発表を行いました。
    発表内容について、たとえば「自然に恵まれている」という抽象的な表現より「自然に恵まれているから夜空がきれいだ」のように 具体的な表現の方がイメージがつきやすいですよとの事でした。

    -この演習のポイント-

    チーム形成で重要な事は、時間配分などのルールをまず決める事。目標・目的を決める事。司会・記録・タイムキーパーなどの役割を決める事。
    ダラダラと楽しく話し合うだけでは長く続きません。決められた時間で結論が出なくてもまとめを行い、次回の課題を整理する事が重要です。

  2. 「最近あった楽しい事は何ですか?」について2人1組で聞く側、話す側を交代で行う。
    -この演習のポイント-

    まず自分の意見を述べる前に、相手の話を聞く事が重要です。

  3. 「20歳の頃どんな事を考えていましたか?」について各自紙に書き、2人1組で話し合う。
    -この演習のポイント-

    お互い話し合う事で、相手の新しい発見や気づきが見つかります。時間軸で相手の事を理解する事で、生活歴(ライフヒストリー)が見えてきます。

-人をほめる事について-

人間の欠点は言わなくてもすぐに見つかります。本人も概ね自分自身の欠点を理解しています。そこを指摘されて気持ちの良い人は少ないと思います。
ほめるという事は、その人の良いところを伸ばす事だと思います。相手を常に注意して見ていなければ、ほめる事はできません。
人間の欠点はなかなか直らなくても、ほめて長所が伸びる事で、欠点を補う事ができるかもしれません。

 

-最後に-

与えられた課題は、まず自分ひとりで考えましょう。それから2~3人の少人数で話し合うと意見が出やすくなります。
リフレクションとは振り返る事、反省する事。利用者支援への過程を鏡として自分自身の支援内容を振り返る事です。そしてPDC(S)Aサイクルを回しましょう。
福祉はセンスです。豊かな人間性(話す事・聞く事・書く事)が特に重要です。センスは磨く事ができます。
また、自分の持っている知識は、使って初めて技術になります。
理念・方針というのは、旅人が方向を知るための北斗七星のようなものです。方向が間違っていないか、たまには振り返る事も必要です。
そして、仕事は楽しくやるものですよ。

 

気になる利用者1名の方に、20歳頃どのような事をしていたのかを聞いてきてください。という宿題が出され、第1回の研修が終了しました。

 

第1回目の研修を終えた後の峯尾先生のコメント

身体拘束の件は仕事を取り巻く環境の変化の一つであり、今までと同じように漠然と仕事をしていてはいけないという警告の一つだと思います。
福祉や介護の仕事の楽しさは、利用者さんとのかかわりを通して感じるものだと思います。そのためには、日々の関わりを振り返り、その中に意味を見いだしていくことが大切だと考えています。
事例研究という分野に該当しますが固く考えずに、今年は定期的に振り返ってお互いに体験を報告し合うことで仕事をとおした共感から、職員集団としての一体感や介護に対する姿勢や工夫等、一般的に言われる質の向上が図られることを期待しています。

 

平成25年度施設内部研修2回目

 

6月13日木曜日 第2回目の研修が開催されました。
今回は第1回目の宿題「気になる利用者1名の20歳頃何をしていたか聞いてくること」 について、グループワークを行いました。

聞いてみた感想(楽しかった事・難しかった事等)についてグループ内2人1組で話し合って下さい。

利用者さんから初めて聞いた内容だった方が全体の2/3以上(新しい発見・気づきがあった)
⇒忙しい業務中に立ち止まって利用者さんの話を聞くこと(日常の中ではなかなか難しいですよね)

 

  1. 今は時代が変わり共に生きていく時代(子供・高齢者・障害者・外国人…)~共生社会を目指して~
    『利用者も私たちと同じ人間なんだ』
    ⇒介護や支援護の対象者という関係ではなく、私たちと同じ人間として共感的に考え行動する(関わる)方法
    ・相手の話に耳を傾けること・・・興味を持つ(スルーばかりではいけない)
    ・聞いた話の世界を想像すること・・・想像を膨らませて関心を寄せること(重要)
    ※今回の宿題で関心のあった内容(重複した利用者でも質問者によって答えがそれぞれ違う)
    ●T.M氏:3名の方(①仕事や車の話 ②バイクやテニスの話 ③一眼レフカメラの話)
    ●K.M氏:2名の方(①仕事(建設)・車・野球チーム・結婚・酒の話 ②結婚・仕事(土木⇒寿司屋)の話)
    感想…最初は質問に対して「遊んでいた」「酒を飲んでいた」という答えから具体的に掘り下げて聞いてみた結果。
    ※表現の仕方・文量…等から伝わるもの
    ⇒聞いている職員と答えている利用者をイメージしてみる。
    ⇒普段の仕事の関係性(距離感)等も見えてくる。※日常の仕事の雰囲気や人柄が出ていないかな?
  2. 話を聞くこと
    聞くことも大切な技術…相談援助やカウンセリング。
    質問への答えではなく、生きて生活している人間が語った生の言葉としての「語り」。話を聞くためには、良き聞き手になることが大切。 ・・・ポイントはインタビューアー
    ⇒話の段取りを勝手に決めないこと。(思い込みや先入観を捨て、話に興味を持ち楽しく聞く事が重要)
  3. 人間を見る・カメラマンになってみる
    対人援助の領域ではアセスメントや観察と呼ばれています。(観察とは「観て察する」ということです)
    観察するとは、自分自身の五感(視覚・嗅覚・聴覚等)を道具として人間や社会、自然界を感じ取ること。
    何をどの視点から見ているのか・・・虫の目(近視眼的)と鳥の目(全体観的)
    被写体を写し取りたいと思う撮影者の思い・・・志向性と価値観⇒職員一人一人が福祉・障害者・施設等を広報できるようなインタビューアーになっても良いのかな。

◎今回は利用者さんの20歳の頃に限定した宿題でしたが今の施設生活を過去から捉える(知る)事
⇒皆、色んな人生を送ってきた中で、様々な事があって今(施設生活)があります。
『そのような経緯の中で今、安心して介護を任せられているのか』(非常に大きい事ですよね)

【私たちの大きな課題】

『その人の生きてきた証(どう歩んできたか、どんな夢)を含めて物語をつくっていく事ですよね』

演習「施設長を他人に紹介して下さい~その人らしさを考える~」
各グループ使用可能なツール(原稿・メモ・写真・パソコン等)はそれぞれ指定されるもユーモアたっぷりに発表される。

 

まとめ:障害とその人の生活を理解するICF・国際生活機能分類

従来、WHO国際障害分類(ICIDH)が身体機能の障害による生活機能の障害(社会的不利というマイナス面)を分類するという考え方に対し、 その後改訂された国際生活機能分類(ICF)でが生活機能というプラス面からみるように視点を転換するとともに、 背景因子(環境と個人)等の観点を加えられています。
(環境因子):バリアフリー等…施設サービスも含まれます。(皆さんが変われば大きく変わってくるもの)
(個人因子):皆、「昔は良かったなあ」と思っている事に目を向けています。
⇒この動機に働きかけることによってウキウキ・ワクワクといった心の躍動感が出てくるもの。
⇒社会とのつながりにもなってきます。
※昔一眼レフカメラが好きだった利用者さんの支援計画にカメラで写真と撮るという計画はあるかな?

宿題②「各グループで利用者さん1名を選定し、その方を紹介するパワーポイントを作成して下さい」
参考:結婚式等で作成されるライフヒストリーのように写真・文字・ストーリーで作品を作ってほしい。

 

平成25年度施設内部研修3回目

 

8月16日金曜日 第3回目の研修が開催されました。
今回は研修テーマの再確認と、第2回目の宿題「各グループで利用者さん1名を選定し、その方を紹介するパワーポイントを作成する」 について、グループワークを行いました。

 

年間研修テーマの再確認『介護・支援実践の振り返りをとおしてキャリアアップを図る』

1)前回までの研修の振り返りとその後の取組みや感想を考えてみる。
⇒これまでの取り組みが自分の仕事に対する影響や何か気付いた事、仲間と話した事。
⇒人間は忘れる生き物。だから時々、振り返り思い出すことも大切です。

  1. 話を聞く。(4月)
    聞くことは大切な技術・・・相談援助やカウンセリング。
    質問への答えではなく、生きて生活している人間が語った生の言葉としての「語り」
    話を聞くためには、よき聞き手になることが大切・・・インタビューアー。
    話の段取りを勝手に決めないこと・・・思い込みや先入観を捨て、話に興味を持ち楽しく聞く。
  2. 人間を見る・カメラマンになってみる。(6月)
    対人援助の領域ではアセスメントや観察を呼ばれています。
    観察とは、「観て察する」ということです。
    観察には、視覚、嗅覚、聴覚等の人間の五感を必要とします。
    観察するとは、自分自身の五感を道具として人間や社会、自然界を感じ取ることです。
    何をどの視点から見ているのか・・・虫の目と鳥の目。
    被写体を写し取りたいと思う撮影者の思い・・・志向性と価値観。

2)課題発表。
『各グループで利用者さん1名を選定し、その方を紹介するパワーポイントを作成する』
A1『Kさんの思いでアルバム』
B1『Y・K氏のヒストリー』
C1『Sさんとともに』
A2『M・S氏人生劇場』
B2『な~んも(Iさん)』
C2『Hさんの青春』

☆この課題を振り返ってみる。
●所属グループの取り組み内容と自分の役割や参加態度を振り返る。
●印象に残った他グループ作品の感想。
⇒他人から学ぶことの重要性。
・自分たちと違う部分から気付く!!
・認めることが大切!!
自分にとっては当たり前の事でも人によっては新鮮に感じることがある。
たまにはオープンに話し合う事も必要。
・年に1回なり、半年に1回なり振り返りながら、楽しむことが大切です。
・みんなは色んな才能があり、役割もそれぞれ違うのだからお互い協力することが大切。
(パワーポイントが使えない人も、原稿を考えたり、写真を選んだり、お菓子を差し入れしたり)

 

課題「所属グループの利用者さん1名の方の支援計画を評価して、新しく計画を作り直す」

以下の点を参考に取り組んで下さい。

  1. 現在の支援計画の良い点と反省点。
  2. どのように評価したのか。
  3. 利用者さんと対話し(話す、聞く)、カメラマンになったつもりでよく見て、支援計画を作り直す。
  4. 再検討した結果と感想

その方を理解したいと思う時、こころだけに注目していても限界があります。自分自身のこころを知るためにも何か鏡となるものが必要です。
私たちと同じ時代(今)を生きる利用者さんを理解するには、背景としての現代社会を理解する必要がある。
今はどんな時代なのか?そして、その方の障害が発生した時代はどのような社会だったのかを理解し、 障害を抱えながら今を生きているその人を理解したいと思う努力を続ける。
例えば、年代の違う一人ひとりの青春時代を理解するには、当時はどのような社会だったのかと思いを 巡らして話す、聞く、考える姿勢が大切だったことを思い出して下さい。

●利用者さんに沿って考えること。(現象をありのままに見る→思考を中断する)
●利用者さんの言動や現象をありのままに捉えるには、自分の感情や考え、価値観を持ち込まないで考えること

 

平成25年度施設内部研修4回目

 

10月11日金曜日 第4回目の研修が開催されました。
今回は、第3回目の宿題「所属グループの利用者さん1名の方の支援計画を評価して、新しく計画を作り直す」 について、グループワークを行いました。

(1)以下の項目で6グループより発表。
  1. 利用者さんの紹介と選定理由。
  2. 現在の支援計画の紹介。
  3. 現在の支援計画の良い点や反省点。
  4. どのような視点で支援計画書を評価・振り返りを行ったのか。
  5. 支援計画再検討への取り組み経過の報告・どのようにアセスメントしたのか工夫点等。
  6. 再検討した新しい支援計画の紹介・計画の特徴・以前の計画との違い・工夫点等。
  7. まとめ・再検討のプロセス全体に対するグループメンバーの気づきや感想。
    ・A1 A・Mさん ・A2 K・Sさん ・B1 T・Sさん ・B2 H・Gさん ・C1 S・Wさん ・C2 T・Sさん。

(気付きや感想)
・今の支援計画は身体的ケアについての課題や援助内容がほとんど。
・本人の主訴「特にありません」とどう向き合うのかが次の課題。
・身体的な内容については個人マニュアルで整理し、本人の希望や要望を支援計画に入れてみる。
⇒そうすれば支援計画にも動きが出てくる。(身体的な内容では大きな変更はなく、動きがない)
・支援計画の項目の表現を見直したり、主訴を3つ(ハード面・ソフト面・精神面)で分けるのも良い。
⇒重要なことは本人目線で考えてみること。
・パチンコや飲み屋、カラオケに行きたいという希望。(何とかできる方法を模索してはどうか)
⇒こういう希望を支援計画に入れることにより第三者に対しても施設サービスの説明ができると思う。
・特に計画しなければ実行できないような計画が支援計画には必要なのではないかな。
・グループの議論も大切。(とにかく思うことを批判しないで全部出す:BS法)
⇒そこから、私たちのできることは何か?何を行ったら良いのか?を色々と考えてみる。
⇒色んな可能性を考えているときは職員の皆も仕事が楽しくなってくるはず。
◎支援計画の評価は笑顔が増えること(生活が豊かになったこと)です。

(2)身体拘束って?

以前、施設で行った職員アンケートの結果。(質問項目は全て身体拘束に属するもの)
・小さな不適切な支援(行為)が大きな虐待につながる魔のスパイラル。
・本人の意向に沿わない不適切なケア≠身体拘束。
・身体拘束は緊急避難的行為でなければいけない。

(3)次回の研修に向けて

8月研修から帰る際には、旭山動物園に寄り、動物園の物語が漫画となっているものを買いました。
そこに書かれていたこと。
・旭山動物園は環境エンリッチメントを目指していること。
・動物園をどう再生したのか。初代園長の言葉「動物園の価値は飼育員で決まる」
⇒一人の名物人間や珍獣が必要なのではない。スタッフ全員が理念や志しを共有して話し合い、考え 代々受け継いでいく事が重要

◎施設も全く同じだと思いました。
「施設の価値は有名施設長で決まるのではなく職員で決まる」
「経営理念や基本方針を職員皆が共有している施設は強い」

◎福祉サービスは主観が入ってくる難しさがある。(毎日やっていることは単調な事が多い)
※ルーティン
⇒だから、日常何気にやっていることも見方を変える事が大切だと思います。

◎福祉の仕事は山登りと同じ。(登山家)
目標を達成したら次の目標が出てくるもの、それはエンドレスにいつまでも続くものです。
だから、あまり頑張り過ぎないこと(太く短いものよりも細く長いもの、そして「芯」の強いものの方が大切)

◎今は社会の目も意識しなければいけない時代になりました。
・今の支援計画は本人や家族がわかりやすいものですか?
・第三者が施設に入って目につくもの⇒職員の言葉使い、服装、態度、立振る舞い…。
⇒私たちが一番最初にできることは自分自身の事を見直すこと。(適切・不適切の仕訳から考えてみる)

(4)課題

●個人ワーク「今までのケア内容の振り返り」(自己リフレクション)

  1. 不適切と思われるケア内容や場面を列挙する。(複数取り上げる)
  2. 取り上げた不適切なケア、一つひとつに対する自分の考えをまとめる。
  3. 不適切なケアを受けている利用者さんの気持ちを想像して本人になったつもりで感想を書く。

●グループワーク「各自の課題意識の確認と共有化」(対話による集団リフレクション)
職員にどのような助言やサポートができるか、不適切なケアを受けている利用者さんへのケア内容の改善ができるか 話し合って下さい。

 

平成25年度施設内部研修5回目

 

12月6日金曜日 第5回目の研修が開催されました。
今回は、第4回目の宿題、「今までのケア内容の振り返り」(自己リフレクション) 「各自の課題意識の確認と共有化」(対話による集団リフレクション)についての発表とグループワークを行いました。

自尊心をキズつける行為
・ちょっとイライラ。(自分の怒りをぶつけてしまった)
・私たちの日常生活も同じ:仲間うちでも、相手がイライラしたら不快な気持ちに自分もなってしまう。
・人権を守ろうとか難しい言葉ではなく、障害者だって自尊心はあるし、自尊心を踏み滲られやすい人たちと考えるべき。

一人ひとりが自分らしく生活していく権利
・生まれてから死ぬまではどんな境遇にいる人もみんな同じ。(赤ちゃん、高齢者、障害者だって一緒)
・人権とはどのようなことをいうのでしょうか…日本国憲法第13条「個人の尊厳」
・人権とは、「全ての人々が生命と自由を確保し、それぞれの幸福を追求する権利」あるいは「人間が人間らしく生きる権利で、 生まれながらに持つ権利」であり、誰にとっても身近で大切なもの、日常の思いやりの心によって守られるものです。
私たちの日常生活の一番基本のルールといえるものであり、幸せに生きるために誰にでも認められる基本的な権利。
・法務省が取り扱った人権侵害事件のうち、平成24年では5件に1件が「暴行・虐待」であり、その被害者の8割以上を、 女性や児童、高齢者・障害者が占めています。

愛⇒思いやりの感情。(自分の事をなげうってでも相手の事を思うことだよね)

「利用者も私も同じ」:理屈はわかっていても現実は難しい。
センターで考える。(職員が優先される事は多くないかな?)

経済学でみる
・自分の貴重な時間を仕事に提供する対価として給料をもらっています。(働く事ってそういう事)
・鏡を玄関に設置する所もある。(自分の姿を見て1日の仕事を開始する気持ちを持つ:プライベートを持ち込まない)

介護する人と介護される人の価値観を共有する事。
・時間がない⇔俺を優先してほしい。

不適切なケア⇒身体拘束⇒虐待。
・ベット柵の間に首が挟まる、ベルトが首にからまる…。
⇒福岡宣言『抑制廃止』⇒『私たちは身体拘束はしない』(はじまり)

不適切なケア:今日皆が発表してくれた内容は虐待と思いますか?
厳密な意味でいくと該当する方向のものもありましたよね。
叩く、殴る、搾取する、セクハラばかりが虐待?ちゃん付けはしていませんか?
これらはハラスメントの問題と同じ。
言った人、やった人の問題ではなくて、やられた人、受け止めた人がどう感じるかという問題。(判断は相手側にある)

虐待を国語辞典で調べてみると…。
・むごい扱いをする⇒それってどんな扱いかな?
本当は不快な思いをさせてはいないか。(施設がどう説明しても社会は言い訳と解釈)

障害者虐待防止法第1条
この法律は、障害者に対する虐待が障害者の尊厳を害するものであり、障害者の自立及び社会参加にとって障害者に対する 虐待を防止することが極めて重要であることと等に鑑み・・・。

身体拘束と虐待の関係。
・施設職員による障害者虐待防止への取り組み⇒管理者の自覚と職員研修。

おやつは食べられるけど、食事は食べられない。
・介護の価値観と看護の価値観。(残存機能を維持orご飯は食べてほしい)
考え方を柔軟にして、食事に限定しないで考えてみる。体調不良をどう捉えるか?
人間は機能維持のために生きていない。(健康面からみた価値観)
食事は3食完食しないといけないもの?(長いスパンで考えてみる)
毎日、体調も違う。(私たちも一緒⇒昨夜食べ過ぎたから、ちょっと昼食を控えるか⇒日常的にやっていますよね)
・次に個別性で考えてみる。(一番は「障害」)
今、飲んでいる薬は何(副作用は?)
障害が経年変化の中で、どのように変化していくか理解。そして最近の様子等。
食事に限定すれば、食事のテーブル配置や食べ方(時間内)、そういう環境が好きではないのかも?

介護の難しいところ。
大切だとわかっていても、その通りいかない。

援助を必要としている人から学ぶ姿勢を育てる。
・介護は、介護する人と介護を受ける人の価値観の共有が大切です。
・基本的には言語的コミュニケーションによる良好な人間関係が基本となる。
・しかし、意思疎通の難しい方とは非言語による五感を通した感情を読み取ることが大切。
・人間は感情の動物です、相手の感情に寄り添う、しかし、わからないことも多い。
・全てを分かろうとするのは傲慢ではないでしょうか。(人間の不完全性)
・人権や尊厳を理解していても、現実にはその通りにできないことも多い。(ジレンマ)

虐待と内容と意味を理解する、施設理念や就業規則、職員行動規範の理解。
・現状を確認する。
現在のケア内容でおかしいなと思う内容を取り上げてみんなで考える。(不適切ケア)
具体的な出来事から考える、自分がケアされるとしたらどの様なケアを望むかと考える。
・個別ケアから考える。
個別支援計画は本人中心となっているか、業務マニュアル(手順書)になっていないか。
・情報公開。
外部にひらかれた施設づくり、施設の常識と社会常識との比較検討。
・本人や家族が苦情を言ってもいいという雰囲気づくり。
「苦情は職員を育てる」という意識改革、介護者の価値観を押し付けていないか。
重要なのは専門職としての価値観ではなく、一般常識としての価値観⇒施設(専門職)の常識≠社会の非常識。

不適切なケアをなくす。(あることを認め)⇒「不適切なケアをしない」を目指す。
・今の社会(家族や本人)は一生懸命だけでは理解されない⇒説明責任を果たす事が必要
・障害者や家族が置かれている立場を理解する。
・私たちの方が立場は上?
・私たちはいつも見られている。(風通しの良い職場を作る)。
・理想と現実⇒今どこまでできるのか常に考える。(100%叶える事は出来ない)
だから施設の理念や目標をもって仕事をすることが大切。(方向を見失わないため)
・同じことを繰り返しているとマンネリ化する。
・だいたいの事が対応できるようになると足(向上心・工夫)が止まってしまう。(慣れると気付かない)

「疾風ロンド/東野圭吾」~印象に残った文節。
「自分たちに不幸があった時、他の人も不幸になればいいなんて思うのは人間として失格だよ。むしろほかの人には、 自分の分まで幸せになってほしいと思わなきゃいけない。そうすればきっとその幸せのおこぼれが、こっちにも回って くるはずだからね。」

 

課題

「グループで不適切ケアと思われる事を課題に取り上げて、改善してみる。実際に計画をたててみて、実行して見直してみること。(PDSA)」

 

平成25年度施設内部研修6回目

 

2月14日金曜日 第6回目の研修が開催されました。
今回は、第5回目の宿題、「各グループで不適切ケアと思われることを課題に取り上げて改善へのPDSAサイクルの実践を試みる。」 についての発表と1年間の研修の振り返り、まとめを行いました。

各グループより発表が行われる

発表はC2グループからA1グループの順。発表後、結果としての満足度ではなく、取り組んでみた満足度を述べる。
発表に対するコメントはA1からC2グループの順。良いところを見つけてコメントする。

 

峯尾教授より

安全ベルト、手袋、ベッドサイドレール、ヘアドライ・・・
どれも分析的で素直に話されており、どのグループも訴える力があります。(事例発表に使えるものばかり)
必ずやったら、やっただけの得るものはある。自分達のやっている事は意味があることと思える事が大切です。
食事、入浴、排泄の3大介護に集約された支援計画だった気づき。
今回の取り組みは仕事を続けていく上での方法論を示した内容となっていると思います。
写真を活用した内容は本当に良いですね。(百聞は一見にしかず)
PDSA…考えた事は実行していく⇒そして最後に評価この流れが大切です。
今回の課題に関わらず、生立ち(ライフストーリ)の発表も本当に感動しましたし、本当に感心しています。

前回の振り返り・施設職員による障害者虐待防止への取り組み
・管理者の自覚と職員研修
虐待の内容と意味を理解する、施設理念や就業規則、職員行動規範の理解。
・現状を確認する
現在のケア内容でおかしいなと思う内容を取り上げて皆で考える。(不適切ケア)
具体的な出来事から考える、自分がケアされるとしたらどの様なケアを望むかと考える。
自ら立ち止まって考える。(現状をアセスメントする)
・個別ケアから考える
個別支援計画は本人中心となっているか、業務マニュアル(手順書)になっていないか。
・情報公開
外部にひらかれた施設づくり、施設の常識と社会常識との比較検討。
・本人や家族が苦情を言ってもいいという雰囲気づくり
「苦情は職員を育てる」という意識改革、介護者の価値観を押し付けていないか。
介護現場の特徴と現状を知る
・介護や福祉は労働集約型産業
産業の中でも人間による労働力による業務の割合が大きい産業のことを労働集約型産業という。
現代の日本では接客を行う商業やサービス業などといった第三次産業が労働集約型産業とされている。
・介護は対人援助職
人が人を支援する。人間である職員が介護サービスの品質となる。
・介護の目的は生活支援
生活は本来単調なものです。人は同じことを長く続けると飽きてくる。
生活は皆、違う。(毎日単調で繰り返し、そして多岐多彩)
何も考えない。(どうしてという発想にはならない)⇒マンネリ化しやすい仕事という認識をもつこと。
今回の課題でも感じた矛盾。(必ずしも報われる結果にはならない)
ベルトを外してほしい、ベルトを付けてほしいという訴え。(職員の考えと利用者の考えは違うこともある)
・日々是好日(にちにちこれこうじつ、ひびこれこうじつ)
⇒一日一日には、良い日も悪い日もなく、自分の心の持ちよう、考え方次第で、どんな日もよい日になる。
・一期一会⇒今日会った人と明日は会える保障はない。
・介護は感情労働
サービスの価値は顧客満足度で決まる。同じ事をしていても評価されないこともある。
相手(サービス利用者)の主観性感情に左右される。だから人間関係のストレスが強い仕事。
でも喜びだって感じる仕事。
「今年50歳になり、やっぱり五十肩になってしまい、痛くて仕事が思うようにできない」
⇒利用者から、「いつか治るんだから、頑張るんだよ」って言われた事。
「利用者の皮膚がとても綺麗になったこと」・・・
・学習性の無力感
無力感は学習される。やる気のある職員が辞めていく。一生懸命やっても評価されない。
一年間の研修を振り返る
・身体拘束廃止に係る取り組みに向けて、介護・支援実践の振り返りを通してキャリアアップを図る。
・課題への取り組み方・・・・・・・…自分の考えをまとめ、相手の話を聞く。
・利用者さんの話を聞く「二十歳の頃」…利用者さんと向き合う。
・利用者さの人生を物語で考える・・…ライフストーリーのムービー作成。
・支援計画を振り返る・・・・・・・…障害への対応で終わっていないか?
・不適切ケアへの気づき・・・・・・…毎日の業務を振り返る、気づきの共有。

未来(明日)に向けた業務改善への提案

・知識や技術は人に蓄積される 優秀な人材が退職すると優秀な商品(介護サービス)が一つなくなる。
システム(仕組み)として考える、PDSAサイクルで考える習慣を作る、慣れる。
・組織風土…組織に集まった個人個人の価値観が集まり平均化され、表面化したもの
組織の価値観→職員の無意識の行動から生まれる暗黙の体質やルール。
これからの課題…組織風土の一人ひとりの理解。リスクマネジメント⇒倫理観の共有化
☆滝上リハビリセンターの良いところを認める。
・介護はクリエイティブな仕事 発想の転換、単調な毎日を楽しく過ごすアイデアと工夫、生活は創り出すもの。
本当は良いか、悪いかという観点⇒専門職の観点(プロフェッショナル観点)、何気なくやっていることを考える。
身体拘束⇒虐待。だから点検して、常日頃、改善していくことが大切になります。
・継続は力なり
あきらめないこと、そのためには組織も個人も目標が必要。目標の共有が必要。 目標は抽象度の高いものより、できるだけ具体的な内容にする。
~一人はみんなのため、みんなは一人のために~one for all,all for one

 

自分を認め、相手も認める、ポジティブカード

最後に、同じグループメンバーに向けたメッセージを一人ずつ書き加え、グループ内を一周。(みんなが自分の事を書いてくれる)
このメッセージを共有し合い、25年度の内部研修を終了しました。