平成26年度内部研修

平成26年度キャリアアップ研修2プログラム

 

  1. 研修目的
    新任職員の指導教育システム(新任職員研修マニュアル)の作成や役付き職員のキャリアアップの取組みを通して、 経営理念に基づき行動できる職員養成研修システムの基礎づくりをはかる。
  2. 研修方法
    事例研究(ケーススタディ)を通して「ケア・支援の具体的実践方法~重度障害・行動障害をもつ利用者の支援と取組み」を各チーム別に実践する。
    その中で、新任職員研修マニュアルの作成と指導技術の向上を目指す。
  3. 研修講師
    講師:峯尾武巳教授
    神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部社会福祉学科
  4. 研修内容
    ※年4回開催(5月、8月、11月、2月)

<第1回研修 5月30日(金)>
○研修のねらい
・オリエンテーション
・経営理念の共有と仕事の仕方を振り返る
○取組み内容
・介護係一般職員(3チーム)
新任職員のための研修マニュアルを作成する。
・介護係役付き等職員(2チーム)
ティーチングとコーチングに必要な指導例を作成する。
・介護係以外の職員(2チーム)
チームケアにおいて介護スタッフに対し期待すること、自己の専門性から介護スタッフと協力できることや貢献できることは何かを振り返りまとめる。
※次回8月までに各マニュアル等を完成させ、実際に使用できるよう準備する。

<第2回研修 8月29日(金)>
○前回の取組みの発表
・作成したマニュアル等の発表
○今回からの取組み内容
・各職員の平成26年度の行動目標を作成し宣言する。 注)欠点を直すのではなく、よいところを伸ばす(長所伸展)
・各棟の居室担当ごとにチームを編成し事例研究に取り組む(6チーム)
*事例研究を実施する目的を理解する(事例研究の目的)
①情報を収集し利用者を全人格的に理解する力を養う。
②支援及び介護実践を科学的に分析し自己及びチームの支援並びに介護の実践過程を検証する力を養う。
③利用者の心身の状態を把握し適切な個別支援計画を立てる計画立案能力を養う。
④PDSAサイクルを回し福祉実践を展開する力を養う。
⑤支援やケアの基礎となる知識や技術の必要性に気づき、自ら修得するために努力する意識を高め具体的に行動する力を養う。
⑥他者及び他職種とのつながり(仲間づくりやチームケア)や仕事を楽しむ姿勢を基本とし、仕事のやりがいを始めとした職員個々の成長の一助につなげる。

<第3回研修 11月29日(土)>
○取組みの経過報告。
・利用者を理解するために取り組んだグループ内の学習内容の報告。
・取組みの工夫点、障害の理解、生活史からの理解、類似した事例の先行報告検索等。
*事例のまとめ方について。
・事例の理解を深め、適切な援助方法を探る。
・援助方法の検討をとおして指導力の向上をはかる。
・問題行動とそれに影響する要因を理解し、利用者理解の目を養う。
・討議(BS)することで、組織・メンバー間の共通理解と連携をはかる。

<第4回研修 2月12日(木)>
○事例研究報告会(教訓と成果の発表)
支援事例の取組みと、研修を通して何を学んだか、何を感じたのかを報告する。

【最終課題】
その1 取組んだ事例を研究報告書としてまとめ冊子にする。
その2 作成したマニュアルの修正版を作成する。
その3 取組んだ事例は「平成27年度北海道身体障害者福祉施設職員研修会」において発表する。

【全体を通して】
○各棟の居室担当チームごとにチーム支援型の指導体制を採用し、全員で指導や支援を行う。
○係長、主任、副主任の役割は中核職員のチューター(相談役)を務める。
○全職員は、事例に取り組むためにどのような学習をしたのか、自分が成長するために何をしたのかを考える。
⇒作成した新任職員研修マニュアルに沿って行動する。
○係長、主任、副主任については、年間を通して「業務振り返りシート」に記入し、自分の仕事ぶりを客観的に振り返るものとする。
インナー・ワーク・ライフ(個人的職務体験)の概念から仕事に対する気持ちの変化を分析する。

 

平成26年度キャリアアップ研修2について

 

平成26年度施設内部研修が始まりました。
今回も講師として峯尾武巳(みねお・たけみ)教授をお招きして、4回の研修が行われます。

キーワード

全員が講師
・一人ひとりが主人公・主役
・一人ひとりには他人にはない能力・魅力がある
・新人には新人の良さ、ベテランにはベテランの良さがある
全員が受講者・学ぶ人
・より良くなりたいと思う気持ち
・誰にでもある成長欲求
・出来るようになりたい

25年度の研修評価に基づいた今後に向けてのアドバイス
・大きな変化や改善はすぐには表れない。
・期待が大きいほど失望や反感も大きくなる。

・小さな変化や成長をみんなで認めて共有する。
・そのためには、目標の共有が大切。
・大きな目標より小さな目標。
・あれもこれもと欲張らない。

・基本は双方向のコミュニケーション。
・質問や伝えるための言葉を鍛える。
・そのためには、話す、聞く、書くことが大切。

 

5月30日金曜日 26年度第1回目の研修が開催されました。
今回の研修内容は、オリエンテーション 経営理念の共有と仕事の仕方を振り返るでした。

はじめに・・・仕事を振り返る。
・介護は一人ひとりの職員が品質。
・一人ひとりが集まって組織がある。
・職員は、その人個人の感情・価値観だけで行動している訳ではない。
・職員は、施設の理念や社会正義に基づいて行動することが求められている。
・施設理念は皆の夢、その夢の実現に協力する。

求められる職員像。
・法人・施設の理念。
・職場の人材養成の目的。 ・職員に求められる行動。 ・職員に求められる能力。 ・職員の日常業務。

職員に求められる能力。
・将来必要な能力・・・・・・・長期目標
・近いうちに必要な能力・・・・中期目標
・現在求められている能力・・・短期目標

・現在の能力を分析・評価する。
・出来ているものは何か? ・すぐ改善できるものは何か? ・努力しないとできないものは何か? ・法人・施設の理念。

-職員としての態度・技術・知識-
・態度とは何か。
挨拶・配慮・協働・・・・・・関係性の構築。
・技術とは何か。
介護技術・パソコン入力・・・業務遂行。
・知識とは何か。
業務日課の理解・支援計画・個人の理解・・・少し先を予測できること。

仕事を覚える方法
・教えてもらう
・見て覚える
・予習復習する
・練習する
・本や業務マニュアル等を読んで学ぶ
・質問する
・書いて覚える
・話し合う

仕事を教える、伝える方法
・やって見せる
・説明する
・資料を示す
・一緒に考える
・話し合う
・叱る
・誉める

仲間、チームへの貢献方法
・役割を明確にする
・目標を共有する
・約束、ルールを守る
・欠点より長所を認める、伸ばす
・自分には何ができるかを考える
・報告・連絡・相談の実施。

諺に学ぶ。
・「北風と太陽」
・話の内容とその意味を考える
・貴方はどのタイプ?北風型? 太陽型?

コーチングとティーチング。
・コーチングは出来るようになるために助言すること。
・【相手の個性や特質・モチベーションを引き出し、相手自身の目的達成に向けて自発的行動を促す人間技術】と表現できます。
・コーチングする人は、方法論は知っているけれども、あえて問いかけているのです。 すると相手は返事をするまえに、一瞬考えます。 こうすることで考える力を育成するのです。
・ティーチングとは教えること。
・「Teach=教える」の意味通り「答えを教える」という事。
・まったくの未経験者に「どうすればいい?」と尋ねても、そもそも知らないのですから「わからない」となってしまいます。
・基礎知識がない相手にはコーチングはできません。
・ティーチングとコーチングとの違いは、強制的か自発的かの違いとなります。
「こうすればうまくいきます」と答えを与えるのがティーチングで、「どうしたらうまくいくと思いますか?」と問いかけ、考えさせることがコーチングとなります。

 

まとめ・山本五十六の言葉

・やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ。
・話し合い 耳を傾け 承認し 任せてやらねば 人は育たず。
・やっている 姿を感謝で見守って 信頼せねば 人は実らず。
このあと質疑応答後、次回までの課題を確認して第1回目の研修を終了しました。

 

次回の研修(8月)までの課題

・介護役付き職員等チームへの課題→ティーチングとコーチングに必要な指導例を作成する(マニュアル作成)。
・介護職員チームへの課題→新任職員のための研修マニュアルを作成する。
・介護係以外チームへの課題→チームケアを行う上で、介護スタッフに期待したいことは何か、また自分たちの専門性から介護スタッフと協力できることは何かを考える。

 

平成26年度キャリアアップ研修第2回目

 

8月29日、平成26年度第2回目の施設内部研修が行われました。

各チームの課題の発表

チームC・D・Eの課題:新任職員のための研修マニュアル(案)を作成する。

新任職員が、就職してから1ヶ月の間に覚えなければならないものは何かを考える。

  • ご利用者や職員の名前を覚える。
  • 業務の流れを把握する。→日々の仕事の中で先輩に教えてもらう。先輩の動きを見る。
  • 担当の仕事を覚える。報告・連絡・相談。→個人マニュアル、コミュニケーション、食事介助の方法等。
  • 社会人としての心構え。
  • 謙虚な姿勢、元気な挨拶、笑顔。
  • 指導されたことは素直に受け入れる。
  • 安全、確実に介助をする。

 

3ヶ月たった時点では、どのようなことが期待されているかを考える。

  • 日勤業務をひとりで行うことができる。
  • 自分から動いて仕事をさがす。
  • 物品請求書、預金引き出し、食事箋等の提出書類を書けるようになる。
  • ご利用者に合わせたコミュニケーションの上達。
  • 見る→聞く→確認→実践
  • 積極的な姿勢。

 

6ヶ月たった時点では、どのようなことが期待されているかを考える。

  • 早出、遅出、夜勤ができるようになること。
  • 自己判断はしない。
  • 担当外のご利用者とのコミュニケーションがとれること。

 

1年たった時点では、どのようなことが期待されているかを考える。

  • 仕事の独り立ち=仕事に責任を持つ。
  • ケアプランを作成できるようになる。
  • ご利用者のご家族から、看護師から、他の担当者から、自分の担当内のことを聞かれた時答えられるようになること。

 

チームA・Bの課題:ティーチングとコーチングに必要な指導例を作成する。

助言の成功例
・まず、コミュ二ケーションを図り打ち解けてからの仕事の指示、伝達。
・気づきを促す。→ゴミが落ちていれば拾う、床が汚れていれば拭く。
・資料を渡す。→マニュアル、パソコン内の資料の閲覧方法。
振り返り
・指導、助言したことに対しての一生懸命さ等のアクションが見られた際には喜ばしく感じ、談話なども多くできるようになった。

助言の失敗例
・強く言いすぎてしまった。→指導者を避ける行動が見られた。
・毎日同じような助言。→助言する側もされる側もお互いマンネリ感を感じた。
・行動を先読みした指示。→助言ではなくなった。
振り返り
・新任職員の向上心が見られないことに対してのイラついてしまうことがあった。
・たとえ新任職員でもご利用者、ご家族、地域の方々からは「リハビリセンターの職員として見られている」という思いから 厳しく接してしまうことがあった。

 

チームF・Gの課題:チームケアを行う上で、介護スタッフに期待したいことは何か、また自分たちの専門性から介護スタッフと協力できる事は何か等を考える。

新任職員に期待したいことは何か
・仕事を覚えることやある程度のスピードも大事だが、ご利用者に対して、心を込めた対応をする(向き合う)事を大事にしてほしい。
・わからない事はそのままにせず、先輩職員に聞く。
・指示を待たず、積極的に聞いたり、自ら動いてほしい。
・常に疑問を持ち、考えながら仕事をしてほしい。
・悩みを溜めこまず相談をする。相談できる相手を早く見つけてほしい。

介護主任、副主任に期待したいことは何か
・同僚や部下に気を遣いすぎず、言うべきことは遠慮せずに指導する。
・指導方法の統一。
・新任、若手職員を育てるという意識を持つ。
・役割を明確にする。
・職員のモチベーションを高める行動。

チームケアを行う上で、自分たちの専門性から介護スタッフと協力できることは何か、 貢献できることは何か等を考える
・看護師→病気の予防や悪化防止。医的ケアの実践および提案。医的情報の提供。ご利用者の健康を管理し、日々の生活を 安定して送れるようにする。
・管理栄養士→栄誉バランスが崩れやすいご利用者に対しての、栄養補助食品の提供など個別対応を行う。
・相談員→職員に対して、ご利用者に対して必要な情報を提供する。
・理学療法士→ご利用者の身体機能の評価を行い、それに基づいた介助方法の提案。正しい姿勢を保持するための車椅子や クッションの利用方法のアドバイス。

 

講義 峯尾武巳教授

1.仕事継続の促進要因と阻害要因の分析結果~前回のアンケートから

促進要因
1.家族の励まし 2.ご利用者の笑顔、変化、ありがとう 3.人の役に立つ 4.仕事がスムーズに進んだとき 5.生活のため 6.仲間から認められたとき、理解者がいること 7.仕事の成果を確認できたとき 8.資格が取れたとき 9.心にゆとりがあるとき 10.出来ないことが出来るようになった時 11.ご利用者との他愛ない話の時間 12.生活のため

阻害要因
1.体力の衰え 2.仕事に失敗したとき 3.ご利用者からの暴力、暴言、無視 4.理不尽な対応 5.忙しく、イライラしている時 6.休みがとりづらい時 7.仲間に相談できない、雰囲気が悪い 8.体調が優れない時、疲れがたまっている時 9.職場の空気が悪い時、自信を無くした時

仕事継続の促進因子と阻害因子として、1.家庭生活 2.仲間との関係 3.ご利用者との関係 4.ひとり一人の体調という4つの因子の光と影が見えてきた。

2.介護の特徴を再確認する・・・自覚する。
自分の身体を道具として対象者に関わる・・・人が人に関わる対人援助職。
→コミュニケーションに始まりコミュニケーションで終わる。
支援を必要としている人の生活や人生の質に直接影響を与える。
→職員がそのままサービスの質となる。
感情労働である・・・疲れる、ストレスが多い。

3.職員に求められる「質のばらつき」という課題・・・人は皆違う、だから目標が必要。
介護職は、介護福祉士を中心とする専門職・・・社会からの期待。
→質の担保は資格だけでなく、臨床経験も問われる。経験には、職務経験だけでなく人生経験も含まれる。
介護の専門職に求められる質は、価値(態度・倫理)、知識、技術の3つに集約される。
→専門領域の事を知っている(知識)だけでなく、実践でき(技術)、そしてその専門領域の専門職としての振る舞い(価値)が期待されている。

4.人が育つには何が必要か・・・何をどのように教えるのか。
教育する(ティーチング)
→教育には目標がある。目標達成に必要な知識と技術を覚えて学習しなければならない。 目標は教育サイドが持ている。
指導・助言する(コーチング)
→相手の目標を確認して、その目標に近づくためのいくつかの方法を助言して気づかせる。
指導を受ける人のモチベーションが影響する。そのため、指導を受ける人の目標や動機を確認する必要がある。
質問する力。
→相手の気持ちを聞く、自分の気持ちも伝える、感情を交流させる。

5.OJT 職場内研修の様々な学習形態。
一斉授業・・・教室スタイルの授業、講演。
発見学習(探求的学習)・・・直感、思いつき、仮説検証、分析的思考。
問題解決型学習・・・問題の発見-究明-解決。(新たな課題の発見)
体験学習・・・参加型学習、グループワーク、演習。
動機付け学習・・・内発的動機、意欲、達成感、自己有能感。

 

まとめ「職員に求められる態度」

人はパンのみにて生きるにあらず。
→経済的価値や物質的価値に囚われないこと。
職員としての人格的成長・人間成長に価値を置くこと。
→より良くなりたいと思う。成長したいと思う。人間として当たり前の感情に気づくこと。
利用者さんに喜ばれたい、喜んでもらいたい。自分よりも他人の幸せを先に願う人生を選択したことを誇りにすること。
→介護の仕事は、自分のことよりも相手のことを第一に考えること。
笑顔は専門職の条件
→お互いを信頼し、共に生きること。

しかし「人は神ではない、誤りをするというところに人間味がある」
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

 

次回の研修(11月)までの課題

・支援事例をもとに経過報告をすること。
・ひとりの利用者さんへの生活支援をとおして、実践的に仕事を覚える。助言する。職場の雰囲気を変えることを考え実践する。
・支援経過記録は、支援内容だけでなく自分が何をしたか、仲間からのアドバイス等も記録する。

 

平成26年度キャリアアップ研修第3回目

 

11月29日、平成26年度第3回目の施設内部研修が行われました。

 

今回までの課題の確認

9月~10月の2ヶ月をかけて、一人の利用者さんへの生活支援をとおして、実践的に仕事を覚える、助言する、 職場の雰囲気を変えることを考え、実践する。

支援事例を通して
視点1、発想を変えてみる、ポジティブに考える。
視点2、理想論やあるべき論は捨てる。
視点3、利用者や職場、他者に期待するのではなく、自分に何ができるかを考える。
視点4、一人ひとりのり欠点よりも、良いところを認めて、より良くなるように努める。
上記視点を参考にして、選考した一人の利用者さんの支援計画の見直しから始める。
支援経過記録は、支援内容だけでなく、自分が何をしたか、仲間からのアドバイス等も記録する。

今回の事例検討及びグループ討議の進め方と留意点
・ポイント→支援事例を鏡として自分自身を振り替える。事例そのものではなく、介護実践・仕事の仕方に現れる 職員の変化や成長を確認してください。

今回は、
2つのグループを1組とし、お互いの報告内容を検討します。

事例発表。
6チームがパワーポイントで発表。
伝わる内容、見やすい色、見やすい文字に配慮したプレゼンでした。

指定された他のグループ発表事例に対するグループ討議。
報告内容について考えを深める時間です。
模造紙を利用して視点1~4までについて整理を行い、他のグループへの提案をまとめる。
①司会者、記録者、発表者を決める。
②司会者は全員が発言できるように配慮する。
③司会者は少数意見も大切にする。
④記録者は模造紙に書いて視覚的に確認する。
⑤視点1~4について論点を絞って討議する。
⑥事例内容や取組内容の批判はしない。
⑦支援事例やグループの取り組みには、さまざまな問題が絡み合っていることを踏まえながら討議する。
⑧グループメンバーは、自分だったらどうするか、自分の問題として考える。考えの根拠を示す。
⑨司会者はグループ内の論点をまとめる。

グループ討議の発表とまとめ。
模造紙に書かれた内容を、それぞれ相手グループに愛を込めて発表しました。

 

峯尾教授より

○仕事が慣れてくると褒められる事が少なくなるもの。⇒最後の演習のように名指しでほめるは良いことですね。
(指導しているときは必ず指摘することが多くなってしまう)
○日常の中で、一言を付け加えることがやはり必要だと思います(ありがとう、お疲れ様・・・)。

全てのグループに共通して感じたこと。
・ターゲットコードがしっかりしている(何に着目するのかという視点)。
・PDSAサイクルがきちんとできるている(非常に感心しています)。→現状把握⇒計画⇒実行⇒評価⇒改善。
・福祉の現場は介護の現場だけでは解決できないことばかり。→他部署の協力があってはじめて実現できるもの。
・そういう意味からも看護師をはじめ、理学療法士、管理栄養士等の助言もあり大変うれしく思っています。
・環境改善から利用者の変化が見られたという事例発表は、アセスメントにおける環境要因の考察が改めて重要なことと再認識しました。 (リハビリセンターの皆さんに教えられた)
・冨山式ノート等、それぞれに色んなアイディアがあり、大変おもしろかったです。

事例を深めるカンファレンス・・主観から客観へ・・
カンファレンスはケアカンファレンスまたはケースカンファレンスとも呼ばれ、事例研究のひとつの方法であり、その形態は事例研究会とも 呼ばれ「事例の援助過程において、的確な援助を行なうために援助に関わるものが集まり、討議する会議のこと。
個別援助においては、スーパーバイザーが担当の援助者に対して行なう教育・指導の場であることが多い。援助が複数の機関、 施設にまたがる場合は、関係する担当者が出席し、チーム対応を展開する場ともなる」といわれています。

カンファレンスでは、個人的な体験や問題意識を話し合いから共有し、さまざまな意見や関連する領域の知識との比較検討を行い、 主観的事実から、より客観的な事実へと確認していくことが求められます。
つまり、客観性とは、相互の主観的事実の共有から導き出され、原理原則や知識等との比較検討によって、一般的に認められる 客観的な事実として確認することが可能になっていきます。

話し合いの基礎資料は記録・日誌であり、アセスメント内容や介護計画にもとつく介護の実践記録です。 介護の客観的妥当性の追求は、対象者と出会い生活課題をアセスメントし、具体的な支援過程の展開を検討するカンファレンスの 積み重ねの中から探求されていきます。
専門職はこのプロセスに主体的に参加することをとおして、研究方法や根拠にもとづくケアの科学的妥当性について学習を深めていきます。

私たちは、介護現場で起こる様々な現象に心を動かされ、様々な反応を示す。冷静に判断できることもあれば、思いつきや感情に左右されながら、 優しくなったり、厳しくなったりしている自分に気づくことがある。
状況判断に自信が持てず、うやむやにしたり、思うにようにいかない結果を他人のせいにしてしまうこともある。しかし、自分の行動に責任を持ち、 自分と向き合うことがなければ介護福祉士としての質の向上はありえない。
専門職である介護福祉士は、主体的に考え、自分の行動に責任を持つ基本的姿勢、すなわち、課題や理由を考え、考えながら行動する反省的実践家 としての姿勢が求められる。

ドナルド・ショーンは、1930年ボストンに生まれた多彩な思想家である。ショーンによれば、実証科学を基盤として形成された近代の専門職の職域・ 力能やその養成のカリキュラムは、科学的技術の実践場面(問題解決場面)への合理的適用を原理として、それに熟達することが掲げられ、 その習得が専門性の内実を構成してきたと考察している。
一方、教員や看護士、福祉士などのクライエントの複雑(複合的)な問題に立ち向かう新しい専門職は、職務や職域があいまいなマイナーな専門職と みなされる傾向が強いが、新しい専門家は「技術的合理性」の原理の枠を超えたところで専門家としての実践を遂行していると指摘している。

ショーンは、従来の「技術的合理性」モデルの限界を指摘し、不確実であいまいな予測しがたい問題状況に対して、「状況との対話」を通して、 自己の経験から蓄積した「実践的認識論」を用いて立ち向かっている、そうした臨床活動への反省(リフレクション)を基礎に自己の専門的力量を 開発していく専門職のことを<反省的実践家>と呼んだ。(D.ショーン「専門家の知恵」ゆみる出版)
介護福祉士は、他者の行動や感情、思考傾向からその生活上の不具合に気づき、その人の意思を尊重し、よりよく生きようとする力を支えていくことを 目標としている。

介護福祉士としての知識や解決方法、感受性を豊かにしていくためには、①対象者に生じている課題発見のプロセス、②その課題を解決するための 計画を立て実施するプロセス、③解決結果をモニターし改善に結びつけるプロセスに沿った実践が必要である。
介護リフレクションとは、介護実践のプロセスを丁寧に振り返り、経験から学ぶことであり、介護福祉士は、実践的認識論を基礎に行為しながら考 える新しいタイプの専門職である。

 

次回までの課題

今回の他グループからの提案も踏まえて介護実践を続けてください。
①支援事例のまとめ、支援目標、支援計画実施状況、評価、今後の課題。
②職員の取り組みの経過報告とまとめ。→メンバーの成長とその理由(なぜ、どのように)どのような関わり方をすれば職員の成長につながるか、 具体的な事例からまとめる

 

平成26年度キャリアアップ研修第4回目

 

2月12日、平成26年度第4回目の施設内部研修が行われました。

 

今回までの課題の確認

最終回である今回は、
①支援事例のまとめ
・支援目標⇒支援計画⇒実施状況⇒評価⇒今後の課題
②職員へのサポートに対する取組みの経過とまとめ
・メンバーの成長とその理由(なぜ、どのように)
・どのような関わり方をすれば職員の成長につながるのか

これらを課題として、6つのグループから事例発表が行われました。
各グループの事例発表後、「仕事を支える4つの力」について講義がありました。

(1)仕事を支える4つの力
①利用者・人間を理解する力
利用者ひとりひとりを理解する(個別性の理解)
自分を含む人間について理解する力
⇒人が障害をもつとどんな心理状態になるのか
人が歳を重ねるとどんな心理状態になるのか
②生活支援を組み立てる・計画(デザイン)する力
利用者理解と生活や障害を理解する力・総合力・総合する力
アセスメント・情報の収集・分析・解釈
・新規入所者は入所前の状況はどうだったのか
・施設生活の長い方も同様に、前の担当者に確認する事が大切
⇒目標を持つ事の重要性

③生活支援を実践する力
コミュニケ―ション力
生活支援技術
生活を楽しむ志向性
⇒経験に左右される力であり、一番、目につく部分(実践)
①+②がベースとなる部分

④実践を振り返る・省察する力
実践を評価する
自分自身との対話・日々の実践を振り返る
現象との対話・出来事に向き合う…コペルニクス的転回・発送の転換
仲間との対話・共同の省察
⇒定期的にやっていく事の重要性
評価はなかなかできていない部分

各グループの発表を聞いて…
課題に対して一人ひとりが自分のやっている事がどのような影響を与えているかという視点
どのグループもその部分が見えて大変良かった。
「ただ、わからない」と簡単に捉えるのではなく自分のどこが悪かったのか分析して考えてみることが非常に大切。 どのグループも報・連・相の話し合いの場が非常に有効だったとの発表。 話し合いは目標・目的を持っているから有意義なものとなります。そういう発表を聞かせていただき、 大変うれしく、改めて勉強させていただきました。

⇒仕事は楽しくするもの 話し合う雰囲気づくりが大切になってきます。 何のために集まるのか、目的を明確に準備しておくことが重要。忙しい日常業務の中でも、5~10分そういう時間があれば有意義な時間となってきます。

(2)4つの力を循環させる仕組み
PDSAサイクル
利用者理解・・・支援計画・・・実践・・・省察
実践事例を基にPDSAサイクルを循環させる
循環はカンファレンスの場で行う
(完璧な人間はいない、だから日々振り返る・・・反省ではなく省察する)

 

参考として

1.経験と知識-経験すること、知ることの大切さ-
「図と地」「多義図」「だまし絵」などと呼ばれている物があります。特に「ルビンの盃」は、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
白黒の絵で、2人の人が横向きに向かい合っている。
中央に注目すると、盃が見える。人が見えているとき、盃は見えません。盃が見えているとき、人は見えません。
図とは、意味をもっていることをいい、地とは、ただの背景、意味がなくなっていることを表します。
反対に人が見えているとき、人は「図」で、残りの部分は「地」となります。盃が見えているとき、盃は「図」で、残りの部分は「地」となります。
二つの意味が、一枚の絵にあるのです。一方の意味にとらわれてしまっていると、もう1つの意味には気づかずただの地のまま。
しかし、もう1つの意味に気がつくと、それはもはやただの地ではなくなる。地にも意味があった、つまり図でもあった、と気づいたときのことを、 「図地反転」といいます。 このように、示された図の意味することを知っている人にはたやすく見えるものも、知らない人にはなかなか見えないものなのです。

見る対象や現象について知っている人と知らない人、経験がある人とない人では感じ方が違うということであり、現象の何を見たか(図として捉えたもの) でも感想は違ってるということです。
つまり、現象を見る時、知識や経験があれば正しくその現象をとらえることが可能になるということです。
介護記録との関係でいえば、介護の対象である人物やその方の様々な障害、生活の様子、介護の方法等について知っている人と知らない人では当然その感じ方や見方も変わってくるわけですから、 記録の内容も当然同じ現象を見ても違うものとなります。

2.見ること-なにに関心を持っているのか-
例えば、外国製のスポーツカー。
いま2人の人がこの車が走っているのを見たとします。車に興味のある人は車に目をやり、「あれはどこの国のメーカーだろうか」 と考えるかもしれません。また、「あんな車が欲しいな」等の感想を持つかもしれません。
一方、車に興味のない人は他の車と区別することなく、ただの車として通り過ぎていくのを見ているだけかも知れません。
このように、同じ現実世界を見ても、私たちは自分にとって意味があり、関心のあるものを知覚しているのです。次に、私たちが感心をもって知覚された事柄が自分が描いているイメージと一致するかどうかを比較し、それに肯定的価値や否定的価値をつけるのです。
私たちが見る多くのものは、他人が見るものとそうかけ離れてはいないのですが、同じでないことは事実なのです。 自分の見えているもの、見方、考えが唯一正しいと思いこんでいると、それを相手に押しつけようとする感情が働き人間関係を悪くしてしまうのです。 記録内容に関する職場内の意見の対立はこのように、何に関心を持って記録したのかがお互いに分からない(理解しあっていない)ことから発生することもあります。

3.主観と客観-「群盲象をなでる」から考える-
記録に際して皆さんは次のような指摘や指導を受けたことはないでしょうか。「記録には誰が読んでも分かる客観1生が必要だ」「科学には客観性が求められる」 「記録に主観的感想はいらない」このように記録に関して主観性と客観性について様々に議論されています。
この問題について「群盲象をなでる」という話から考えてみたいと思います。

 

町に盲学校があった。あるとき、子供たちを森にピクニックに連れていった。昼ご飯を食べて、皆おもいおもいに休んでいると、そこに象と象使いが通りかかった。 先生は子供たちに象という動物を学習させたいと思い、象使いに頼んでみた。象使いはにこにこしながら言った。

「いいですよ。この象はおとなしいから、さわっても大丈夫です」

先生の指示にしたがって、子供たちは象をとりかこむようにしながら、それぞれ象に触れはじめた。

一人の子供は象の耳にさわった。その大きな耳をやさしくなでながら、彼はこう思った。「象は大きなうちわのようだ」
別な子供は象の足にふれて、思った。「象は太い柱のようだ」
また別な子供は象の鼻にふれて、「象は太い棒のようだ」と思った。
象の腹にふれた子供は、「象は大きな壷のようだ」と思った。だれもが象にふれた体験をよろこんでいた。

学校に戻ってから、先生が子供たちにたずねた。

「象というのは、どんな動物でしたか?」

子供たちは、それぞれ感じたことを話しはじめた。
「象は大きなうちわみたいなものです」と最初の子供が言った。
「違うよ。君はわかっていない。象は太い柱みたいなものだ」と二番目の子供が言った。
三番目の子供が、笑いながら二人のあいだにはいって、言った。
「なんてばかなことを言ってるんだ。象はうちわのようでもないし、柱のようでもない。 それは太くて長い棒みたいなものだよ」
三番目の子供が言いおわらないうちに、また別な子供が口をはさんだ。 「だれもわかっていない。象は大きな壷みたいなものだ。そうでしょう、先生!」
子供たちの議論は白熱して、しまいには口論になっていった。それが峠をすぎたころ、先生が言った。

「先生が象とはどんな動物か話してあげよう。みんなが言ったことは正しくもあり、また間違ってもいる。君たちのそれぞれが触れたのは、 象という動物の一部分だ。そこから象の全体像を描こうとしても、それは正確なものではない。象はうちわのようでもあり、柱のようでもあり、また棒のようでもあり、 壷のようなものでもある。そして、これらすべてをあわせたより以上のなにかだ。それは全体を見ることによってはじめてわかるのだ」

 

この話は、象をなでて部分的に評価しあっても、全体を正しく見ることはできないという難しさを表すたとえ話です。
私たちが見ていると思っている現実世界は、実は自分の感情をとおして主観的に世界を見ていると考えられます。
ですから、二人の人がいれば二人とも違った見方をしているということがいえます。自分個人の体験は一般的に主観的体験といわれ、個人が何をどのように見たり感じたり したのかの感想がその原点となります。
つまり、「記録に主観的感想はいらない」といわれる理由は、このように「記録内容が個人的な感想で終わらないようにしなさい」ということを戒めているのだということが分かります。 一方、誰が見ても「像」であるというすべての人に共通する事実(認識)を客観的事実といいます。
しかし、この多くの人が認める客観的事実も、よく考えれば一人ひとりが主観的に見たものの集合体であり、多くの主観的感想に共通する見方や認識であるというこ とになります。このことを分かりやすく説明すれば、「分かりあえる共通の気持ち」あるいは「常識」「社会通念」ということができます。
このことを哲学の用語では「相互主観性」または「間主観性」といいます。また、客観的という言葉の中には「誰が見ても同じものもある(普遍的妥当性)」とい う意味で、体温計で測定された体温、外気温、血圧等の検査数値等、誰が測っても同じ結果を出すものを指す場合もあります。 つまり、記録には個人的感想ではなく、誰が読んでも分かるように「像(見たもの)」を説明している内容なのかどうかが問われているわけです。

 

最後に

・仕事を支える4つの視点でこの1年間の研修を振り返る(メンバー同士でポジティブに励まし合う)
・平成27年度北海道身体障害者福祉施設職員研修における発表グループの選考を行いました。
研修参加者たちは研修終了後に会場を移動し、町内のカラオケスナックで峯尾教授の特別講義が深夜まで行なわれました。

 

 

2年間の研修を振り返り…

平成25年度から2年にわたり、キャリアアップ研修Ⅰ、キャリアアップ研修Ⅱと称して施設内部研修を実施してきました。
初年度は、「身体拘束廃止に関わる取組みについて」を研修テーマに掲げ、併せて「介護・支援実践の振り返りを通してキャリアアップを図る」 ことを目的としました。
今年度は新任職員の指導教育、役付職員のキャリアアップ(特に部下への指導、支援力のアップ)に着目し、職員養成研修システムの基礎づくり を目的として実施しました。
2年間の継続研修を通しチーム編成による具体的なケア・支援の実践を行う中で、異職種、先輩・後輩、上司・部下が円滑なコミュニケーション を図り情報共有をしながら様々な角度から利用者支援の方法を実践する取組みが行われました。ともすれば、福祉・介護職場はルーティンワークに埋没しがちな中で、利用者の支援方法を職員皆で模索し、「ご利用者本人は一番何を望んでいるのか」という視点でみていくことを日常業務のなかで再認識できたこと、異職種、先輩・後輩、上司・部下の間においても、キャリア、経験、お互いの専門性を生かしたアドバイスや支援を行うことの重要性やグループ間をも超えてやりとりを行っていく協調性・協働性、更に、各グループの事例発表を傾聴することにより各職員が実感として各取組み内容を共有するということも学んだ2年間であったと思います。

日常業務を行っているなかでは、立ち止まって、自分たちの行っている実践を振り返り、その中で自分と向き合いながら自分自身のどこが良いのか 悪いのかを客観的に見つめなおすことは大変難しいことです。今回の2年間の継続研修は、このような視点で実践していくことの重要性や必要性を学び、 「リフレクション(振り返って省察すること)」のもつ意義が認識できたように思います。
また、2年前はPC操作もままならず発表資料の作成にも手間取り、事務系職員に依頼し作成してもらうことも多かったのですが、今年度はパワーポイントの操作にも慣れ、各グループがそれぞれに個性的なプレゼンテーションができるまでになったことは大きな成果だと思います。

研修期間、一貫して峯尾教授が私たちに主張されていたことは、自分自身を含めて全てをポジティブにとらえること、見ること、考えることだったように思います。
峯尾教授には、福祉の仕事のやりがい、働き甲斐はもとより、社会人・組織人としての生き方・働き方まで教わった気がします。
2年間、ご指導いただき、本当にありがとうございました。